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ストーリー

ランベルは2014年5月、米国クラウドファンディングKickstarterで誕生したランナーのためのベルです。$20,000ドル(約200万円)の目標金額を達成し、700名のサポーターから支持されて現在も北米を中心に17ヶ国で愛用され続ける商品です。

 

多忙な子育て世代となって

2011年、東京。開発者ケビンに第一子が生まれる。当時29歳のケビンは子育て世代へと突入し、息子の成長を少しでも側で見つめていたいと願った。ジムに通う時間、電車に乗っている時間、バスを待っている時間、、、その全てをもっと有益に過ごすために、ケビンは飯田橋の勤務先からおよそ10kmの距離を走って帰宅するようになる。この「時短術」こそが、ランベルの始まりである。

東京の街は活気にあふれ、人々であふれている。どんなに人を避けようとしても、やっぱり人が多い。歩行者を追い越したい時の「スミマセン」の声がけは、全くと言っていいほど誰の耳にも届かなかった。

自転車ベルを手に走った日々

東京の夜を走るのに、ケビンが思いついたソリューション。それは「自転車ベル」だった。自転車のベルは人々の耳に聞き慣れたシグナルで、多くの歩行者は無意識のうちに道をあけてくれた。そして約2年間、ケビンは自転車のベルを持ち続けたが、やはり持ちにくさだけは付きまとった。

「丁度いいのがないなら作るしかない。」こうしてランベルプロジェクトは静かに動き出したのである。

課題は多かった。小さくても大音量の金属は何か、指にフィットする形は何か。そして一体、何から始めれば良いのか…?

ランベルの試作品

完成品のイメージは明確にあるものの、どこから着手するべきかわからない。ひとまずRhinoのモデリングソフトウェアをダンロードし、YouTubeのハウツーをいくらか見て、3Dプリントしてみることにした。幸運なことに、普段はエンジニアとして勤務するケビンにとって、この手のソフトウェアやデザインをすることは大してハードルの高いことではなかったし、何よりも「新しい何か」に挑戦することが楽しくて仕方がなかった。

当時の日本には3Dプリントサービスを提供する企業が存在していなかったため、試作品をベルギーの会社に発注したら、これが大当たりだった。とても迅速に、見事なまでに細部まで美しい試作品が届けられたのである。以来ランベルはいつも試作品にはこの会社のサービスを利用させてもらっている。

▶︎http://i.materialise.com/

 

製造パートナーとの出会い

試作品は完成に近づいていたが、製造してくれる工場を探す必要があった。日本の工場ならコミュニケーションが取りやすいだろう…と思い、早速amazonでいくつか気に入ったデザインで日本製を謳っている自転車ベル検索してみることに。すぐに「ヤマビコベル」と「クレーンベル」の二つが目に留まった。クレーンベルはケビンの母国アメリカでも名の知れたベルである。でもクレーンベルが日本製という明確な情報が得られず、ヤマビコベルを2つ購入することにした。

ヤマビコベル

注文してすぐに、ヤマビコベルが届けられた。「美しい!」手にした時の喜びは今も覚えている。さて、この美しいベルを作っている日本の工場はどこだろう、とパッケージに書かれている生産元を確認。そこには「扇工業」と書かれていた。

グーグルマップで「扇工業」の住所を検索してみる。心臓がドキッと跳ね上がったのは無理もない。なぜならその場所は、ケビンの自宅から川を越えたすぐそこだったのだから!こんな偶然があるだろうか?いてもたってもいられず、ケビンはすぐに扇工業へ連絡をして、商談の機会を得ることに成功した。

初めて扇工業を訪れた日。通された応接室に展示されている自転車ベルの数々に、目が止まる。そこには「クレーンベル」が展示されていたのだ。クレーンベルは生の真鍮サウンドが柔らかく響く、素晴らしいベル。このクレーンベルは「扇工業」がOEM生産しているという事実を知り、ケビンの心は確信を得たのである。

どうか私たちの「ランベル」を形にするのを手伝っていただけないでしょうかー?緊張の面持ちで尋ねると、「やってみましょうか。うん、新しいことをやってみないとね、私たちも」と、快い返事をいただいた。何かが大きく動き出した瞬間である。

デザインの改良

試作には相当の時間を要することとなった。製品の軽量化、サイズの調整、またもっと重要な「音色」と「使いやすさ」は、材質選びだけに止まらない、ミリ単位の細かい調整を繰り返す必要があった。

自転車ベルの小さいバージョン。一言で言えばそうなのだが、これほどまでに難しいとは思わなかった。長年の経験と実績を惜しみなく伝授していただいた扇工業様のサポート無くしては、決して完成させられなかった。

そして、ようやく完成したランベルは現在、北米を中心に世界17ヶ国で愛用されています。今日もランベルと共に街をかけるランナーがきっとどこかにいるはず。

ケビンの挑戦はこれからも続きますー。

Founder of Runbell - Kevin  Founder of Runbell - Tomoko
Kevin Tomoko